フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
前年の王と女王が不在のGPファイナル。
有力な宇野昌磨、日本女子陣にも期待!
posted2017/12/06 11:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
12月7日から、名古屋でいよいよグランプリファイナルが開催される。10月末から世界6か国で開催されてきたグランプリシリーズも、いよいよこのファイナルが終盤である。6試合中、出場した2試合で最も高い成績を収めたトップ6選手/6組が出場するこの大会は、五輪シーズンである今季普段にも増して重要な大会になるだろう。
今季は日本からは宇野昌磨と、樋口新葉、そして宮原知子が進出を果たした。
もっとも、今季ほどいきなり荒れた年も珍しい。予想外のアクシデント、展開が続出するGPシリーズだった。
周知の通り、男子ではGPファイナルの4年連続タイトル保持者で5連覇を狙っていた羽生結弦が、NHK杯の公式練習中に怪我をして欠場。結果、今季のGPファイナル進出はかなわなかった。
またハビエル・フェルナンデスは腹痛を抱えた中国杯で6位という結果に終わり、フランス杯で優勝するもGPファイナルには到達できず。
もう1人、ファイナル進出が予想されていたカナダのパトリック・チャンは、スケートカナダで4位に終わった数日後、トレーニングに集中することを理由に2戦目のNHK杯を棄権。
当然進出が予想されていた強豪3人が不在という男子GPファイナルになった。
新王者は……宇野、チェンが最有力候補。
そんな中で進出を果たしたのは、宇野昌磨(日本)、ネイサン・チェン(アメリカ)、ミハイル・コリヤダ(ロシア)、セルゲイ・ボロノフ(ロシア)、アダム・リッポン(アメリカ)、ボーヤン・ジン(中国)の6人である。
だがジンも捻挫を理由に欠場となり、補欠だったジェイソン・ブラウン(アメリカ)が6人目に繰り上がった。
宇野はスケートカナダで優勝し、フランス杯ではインフルエンザで回復したばかりの体で挑んで2位。だが2試合の総合スコアは全選手中もっとも高く、ファイナルでも男子の最有力優勝候補と言って良い。
一方チェンはロシア杯とスケートアメリカで連勝。だがスケートアメリカのフリーでは失敗が重なり、本来の演技ではなかった。それでも5種類の4回転を武器に持つ唯一の選手であるだけに、彼も優勝候補である。