フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
前年の王と女王が不在のGPファイナル。
有力な宇野昌磨、日本女子陣にも期待!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/12/06 11:30
今季唯一の合計300点超えを果たしている宇野。チェンとの高度な4回転対決が予想されている。
初出場の2人、コリヤダとブラウンにも注目!
トップ選手たちが抜けた中で、今回は初進出の選手が2人出場する。
中国杯でGP初タイトルを手にしたミハイル・コリヤダ、そして補欠から繰り上がったジェイソン・ブラウンである。
コリヤダは以前からその才能が注目されてきたが、これまで国際試合で大きなタイトルを手にしたことはない。だが中国杯ではSPで4ルッツをきれいに成功させて、ロシア杯の3位と合わせてファイナル行きの切符をいち早く手にした。
ブラウンはこれまでファイナルの補欠になったことはあったものの、出場するのは今回が初めてだ。4回転ジャンプは試合で成功させたことはないが、柔軟な体を駆使した密度の濃いプログラムで人気のある選手である。
底力を見せてくれた米露のベテラン2人。
一方NHK杯で1位と2位だったロシアのボロノフとアメリカのリッポンも無事に進出を果たした。
30歳と28歳のベテラン選手で、GPファイナルはどちらも2度目の進出である。若い世代のような難易度の高い4回転ジャンプはやらないものの、ミスを最小限に抑えれば表彰台に上がってくる可能性もある。
ボロノフは特に2014/2015年シーズンにも、GPファイナルで3位に入っているだけに、今回もダークホースになるかもしれない。
絶対女王メドベデワ、ファイナル欠場の衝撃。
一方女子も、波乱に満ちた展開となった。最優秀候補でタイトル保持者のエフゲニア・メドベデワがNHK杯優勝後に足の疲労骨折が発覚。ぎりぎりまで様子を見ていたが、12月1日に欠場が発表され、宮原知子が補欠から繰り上がった。
今回のGPシリーズは同順位で競っていた選手が並び、最終戦のスケートアメリカまでファイナルの顔ぶれがわからない展開だった。
スケートカナダ3位だったアシュリー・ワグナーが足首の炎症でスケートアメリカを途中棄権。
NHK杯で3位だったロシアのポリーナ・ツルスカヤはスケートアメリカ4位に終わった結果、ロシア杯3位、中国杯2位だった樋口新葉が初のシニアGPファイナル進出を射止めた。
出場するのは日本勢2人のほか、アリーナ・ザギトワ(ロシア)、ケイトリン・オズモンド(カナダ)、カロリーナ・コストナー(イタリア)、マリア・ソツコワ(ロシア)である。