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キタサンのJC敗因は高速決着か?
鞍上の武豊も「馬場がだいぶ……」。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/11/27 12:05
オーストラリアで断トツの実績を誇るトップジョッキー、ボウマン。「ミルコを止めたい」という事前の宣言を実現してみせた。
有馬記念はフラットな条件で最後の勝負。
勝ったシュヴァルグランは道中、キタサンを4馬身ほど前に見る絶好位で脚を溜め、直線で弾けた。キタサンを競り落としたばかりでなく、2着のレイデオロを1馬身1/4突き放したのだから、本当に強い。
それまで6度GIに参戦して2着1回、3着2回と悔しい結果がつづいたが、ついに悲願のGI初制覇を果たした。
「去年のジャパンカップで3着だった馬が、去年よりいい状態だと聞いていたのでチャンスだと思っていた。ラスト200mでキタサンブラックをかわせると思った」とボウマンは振り返る。
所有するのは、姉ヴィルシーナ、妹ヴィブロスと同じ元メジャーリーガーの「大魔神」佐々木主浩オーナーだ。先にGIを勝った姉と妹も管理していた友道調教師はこう話す。
「オーナーにとって、男馬でのGI勝利は初めてだったので嬉しかったですね。シュヴァルグランの母ハルーワスウィートは、私が調教師になったとき、預託が決まった第一号なんです。うちの厩舎があるのはハルーワスウィートのおかげです」
次走は有馬記念。ボウマンを背に再びキタサンブラックと激突する。
今回は、宝塚記念以来となった京都大賞典から中6週でジャパンカップという、ここにターゲットを絞ったシュヴァルグランに軍配が上がった。
ともに叩き3戦目となる有馬記念は、キタサンも同じ条件だ。
名勝負に期待したい。