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大学でジャンプ転向、小林潤志郎。
平昌五輪候補に急成長できた秘訣。
posted2017/11/26 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
ノルディックスキー・ジャンプで、注目を集める中、期待以上の結果を出して幸先のよいスタートを切った選手がいる。
11月20日、ポーランドのビスワで行なわれたワールドカップ開幕戦で優勝した小林潤志郎である。63試合目にしての自身初の優勝は、葛西紀明以来3年ぶりの日本勢の優勝でもあった。
小林は現在、26歳。決して若手というわけではなく、中堅という位置づけの選手だ。
もともとはノルディック・コンバインドに取り組んでいた。高校3年のときには世界ジュニア選手権で日本選手では史上2人目となる金メダルを獲得するなど将来を嘱望される選手だった。
世界選手権代表に選ばれたが、長く伸び悩んだ。
一方でジャンプでも秀でたところを示していた。インターハイで優勝したほか、高校3年時には伊藤杯で優勝している。
大学に進学して2年生のとき、ジャンプへの転向を決意。そのシーズンは夏の大会で好成績をあげ、早くもワールドカップ日本代表入りを果たすと、2015年の世界選手権代表にも選ばれた。
ただ、日本代表として出場しても、上位進出はかなわなかったし、シーズンによってはワールドカップ遠征メンバーから外れるなど、思うようにステップアップすることはできなかった。昨シーズンは台頭してきた弟の陵侑が世界選手権代表に選ばれたのに対し、メンバー入りを果たせずに終わった。
長く伸び悩んだ小林だったが、今シーズンはこれまでにない姿を見せてきた。
夏の大会では、白馬で行なわれた国際大会のサマーグランプリで連勝すると、全日本選手権でも初優勝。そしてワールドカップ代表となり、開幕戦で優勝を飾ったのである。