炎の一筆入魂BACK NUMBER
鈴木誠也、ケガ離脱後の大変身!?
練習場に響く異様な打撃音が……。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2017/11/20 07:00
優勝セレモニー時の鈴木。完全復帰には1年以上かかると言われていたが、回復具合が良く、ファンにも早く笑顔が見せられそう。
「すごい音鳴らしているな。一流打者の打撃音や!」
当時22歳で任せられた4番の重圧も、少なからず影響していたに違いない。だが、鈴木はかぶりを振り、強く否定する。
「本当はそのとき変われれば良かったんだと思う。でもやっぱりこうやってケガをしないと分からなかった、ということでしょう」
未熟さをあらためて痛感させられ、好きな野球で苦しんでいるのだから……と、その幸福をあらためて確認できた。もちろん、野球人として追い求める領域へたどり着きたい飢餓感も薄れていない。
トレーニングメニューが限られた中でも、目の前のことに全神経を注ぐ。
今できることに全力を注ぐエネルギーは、これまで以上かもしれない。
「あのまんまの自分で来年を迎えていたら、ケガをしていなかったら、(こういう変化は)分からなかったと思う。本当に変わったときに、(球場に)戻れると思うんです」
「ガツン」という打撃音に、由宇での秋季練習から帰ってきた水本勝己二軍監督が感嘆の声を上げた。
「すごい音鳴らしているな。一流打者の打撃音やないか!」
まだまだ変化の途中だ。
このまま順調にいけば、2月の春季キャンプ途中に全体練習に合流できる見込みだ。鈴木は必ず帰ってくる、今年以上に強くなって――。