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バスケ日本代表に15歳の超新星!
田中力は東京五輪の切り札になる?
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byShin Hamada
posted2017/11/09 11:30
U17、18、19、ユニバーシアードの代表を飛び越えて、一気にフル代表に選出された田中。父がアメリカ人の横須賀出身である。
「良くやれた!」代表合宿でも十分な手応え。
白澤から発破をかけられたこともあり、田中は代表合宿では正面から挑み、大人とのパワーや知識の差を感じながらも、通用する部分も感じられたようだ。
白澤は合宿2日目の午前中に見学に行ったが、「他の選手をブロックしたり、ディフェンスしたり、ピック&ロールを使ってインサイドにアタックしたりするなど、通用する部分が多く見られました」と語る。
午前の練習後に話したときに、「もっとやれるんじゃないか?」と聞いてみると、午後の練習後に「午後は自分としても良くやれた!」とメッセージがきたという。
米軍基地のコートで大人に混じってプレーした経験。
田中がバスケットボールを本格的に始めたのは小学4年の冬。
それまでも遊びでプレーしてはいたが、小学校の先輩にミニバスに誘われて、チームに入った。その後、身長も1年で10cm以上伸び、小6の時にすでに177cmあった。中3の今は185cm。世界に出ても、見劣りしない体格だ。
同年代が相手なら、いつでも取りたいときに得点できる。これまでの自己最多得点は85点。ミニバスの試合でチームの87点中85点を取ったのだという。中学でもチーム115点のうち78点を取ったことがある。
点を取るのが好きなのかと思いきや、自分ひとりで50点、60点取らなくてはいけないのは「きつい」と言う。それよりは強い相手に2点取ったほうが、達成感を感じる。
部活やクラブチームの傍ら、米軍基地のコートなどで大人に混じっての5対5もよくやった。背伸びして大人の中でプレーしながら成長してきたのだ。
白澤の言う「誰とプレーしていても常に全力で遠慮なく大胆にプレーすることができる」資質は、そこで養われたのかもしれない。