さんざん迷った5位は日大三・桜井を“外野手”で。

　さんざん迷って、5位は日大三高・桜井周斗（178cm80kg・左投左打）を“外野手”として指名する。

　昨秋・東京都大会での清宮幸太郎相手の5奪三振。このサウスポーを一気に全国区にした快投はあったが、私には「バットマン」としての才能と将来性のほうが輝いて見える。たいていの高校生左打者が苦しむ左腕の内角140キロ前後を、ライトに引っぱって放り込める技術を持っている。

　そうはいっても、清宮から5三振奪ったあのスライダーがもったいないだろう……。そんな声もあるが、そのスライダーはプロでは打ってこない。スライダーを勝負球に使えるまでにカウントを作る速球が、そこまで強くないのが気にかかる。

普通じゃない“バネ”の明徳・西浦をすかさず指名。

　そして、明徳義塾高・西浦颯大（18歳・178cm68kg・右投左打）が6位まで残っていた。

　すかさず指名する。

　ここまで残っていた理由はさまざまあるのだろうが、西浦の“バネ”は普通じゃない。

　走らせた時、投げさせた時、そのスタートやリリースで発揮される瞬発力のすばらしさは、今年の指名選手の中でもトップクラスだ。

　投手がマウンドからの18.44mで投げてくるような快速球でライトからバックホームできるその鉄砲肩を、ショート、サードで生かしたらどうなるのか。外野を守っている時の、ちょっとつまんなそうな“不完全燃焼感”。私の見間違いなのかもしれないが、そこらへんも、内野手に転じた時の新たなモチベーションになるのでは……。

　そんな期待も込めて。あえて“内野手”として指名した。

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