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セMVPは丸佳浩じゃないとおかしい!
「RC」が示す攻撃での圧倒的な貢献。
 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNanae Suzuki

posted2017/11/05 11:30

セMVPは丸佳浩じゃないとおかしい!「RC」が示す攻撃での圧倒的な貢献。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

打率.308、23本塁打、92打点、13盗塁。そして守備も良し。タイトルはなくても、彼こそ今年最高の野手なのだ。

丸、田中だけでなく山田と筒香にも注目を。

 私は丸と、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)のイメージが重なる。トラウトも外野手。右打者と左打者の違いはあるが、丸同様、足が速くて、長打もある。そして何より選球眼が抜群だ。

 トラウトの主要タイトルは2012年の盗塁王、2014年の打点王だけだが、最高出塁率が2回、最多四球が2回、そしてわずか7年のキャリアでMVPを2回獲得、MVP投票2位にも3回なっている。MLBの価値基準なら昨年のセ・リーグのMVPは筒香か丸だったはずだ。

 そして今年は文句なしに、丸佳浩のはずなのだ。

 広島で言うと、田中広輔も進化した。35盗塁で盗塁王になったが、それ以上に89四球を選んで、丸を僅差で押さえて最高出塁率にも輝いている。今年の優勝は、丸佳浩と田中広輔という打って良し、走って良し、選んで良しと手数の多い選手が縦横に暴れたのが、最大の要因なのだ。広島は先発、救援投手陣に傑出した選手がいない。だから今年こそ丸佳浩で決まりだと、再度言っておきたい。

 なお今年のランキングで注目すべきなのは“WBC疲れ”で不振だと言われていたDeNAの筒香嘉智と、ヤクルトの山田哲人がともにランクインしていることだ。

 春先こそスポーツ紙で「不振」の文字が賑わったが、2人はそこからじわじわ成績を上げてきたのだ。山田は143試合にフル出場、筒香嘉智は139試合に出場。戦線離脱せず出場し続けたのだ。主力選手は、試合に出てなんぼである。来季、この2人は大いに期待できるのではないか。

パで100以上を叩き出したのは秋山と柳田。

 では、パ・リーグのMVPはどうなのか?

<今季パ・リーグ打者のRC10傑>
1. 秋山翔吾(西)123.31
2. 柳田悠岐(ソ)111.69
3. 西川遥輝(日)94.58
4. T-岡田 (オ)92.62
5. ウィーラー(楽)89.00
6. 浅村栄斗(西)87.51
7. デスパイネ(ソ)82.53
8. ペゲーロ(楽)75.83
9. 鈴木大地(ロ)74.04
10. 松田宣浩(ソ)73.74

 今年のRC1位は、西武の秋山。これまで安打製造機のイメージが強かった秋山は本塁打数を昨季の11本から25本へと倍増。パワーアップしたことで、1位になった。西武が優勝していれば文句なしのMVPだが、2位に終わったので望み薄だ。

【次ページ】 柳田のライバルは絶対的守護神サファテ。

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