“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
J注目FWは“KKコンビ”先輩の息子!
旗手怜央、心技体ともに父親譲り。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/10/26 08:00
父親が野球選手、息子がサッカー選手のパターンは「高木3兄弟」を筆頭に増えている。旗手もその一員である。
「父はいつも自分の決断を尊重してくれる」
心身ともに成長し、プロへの階段を加速して上り出した旗手。彼のベースは競技こそ違うとはいえ、同じアスリートだった父の存在にある。
「父はいつも自分のやりたいこと、自分の決断を尊重してくれる。私生活の面やメンタル面でも凄く参考になるアドバイスをもらえますし、僕の身体能力は父ゆずりだと思うので、そこも凄く感謝しています」
体格に恵まれなかった父も相当な努力を重ねて、日本一の選手層の厚さを誇った超名門校のレギュラーを勝ち取った。そんな父のプレースタイルは、今の息子に繋がっている。
「サッカーについて多くは語りませんが『部屋が汚いと怪我をする』と言われ、部屋の片付けや整理整頓をきちんとするようになったし、『良いプレーができなかったとしても、落ち込みすぎると、次のプレー、試合に影響するから切り替えることも大事』だということも教えてくれた。だからこそ、プレーでしっかりと見せたいんです」
心強いサポートを背中に受け、彼は未知なる世界へ飛び込もうとしている。もう彼は“無名の存在”ではなくなり、“プロで即戦力となる男”という評価に一変した。今後すべてのプレーがプロ基準で判断される中で、流通経済大戦のようにJスカウト陣を唸らせ続けられるか。それができれば、彼のキャリアはより早急に切り開かれていくだろう。