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楽天の伝説からヤンキースの伝説へ……。
田中将大、世界一まであと少し!
posted2017/10/20 11:35
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
MLB Photos via Getty Images
4度目の正直。
過去3度の投げ合いで、田中将大が“すべて投げ負けてきた”2015年のサイヤング賞左腕、アストロズのダラス・カイケル(29歳)にようやく投げ勝った。
リーグ優勝決定シリーズ第5戦、カイケルは5回途中4失点。田中より先に初めてマウンドを降りた。その一方で田中は7回、3安打、8三振、無失点。ワールドシリーズ進出へ王手をかける快投に彼は一瞬だけ表情を緩めた。
「今日は自分を褒めてあげたいとは思います。でも、これで終わりではないので」
8年ぶり28度目の世界一の頂きに立つためにも、どうしても乗り越えなければいけない相手、それがカイケルだった。
これまで一度も越えられなかった壁、ダラス・カイケル。
初めての対峙は'15年のワイルドカード戦。
本拠地で迎えながら田中は5回2失点、カイケルは6回無失点。敗戦投手となった田中は唇を噛んで言った。
「相手のエースと投げ合って、先にマウンドを降りた時点で僕の負けです」
2度目はその半年後。'16年開幕戦でふたりは2失点にまとめたが、カイケルが7回を投げ切ったのに対し、田中は6回を投げきれずにチームは敗戦。
3度目は記憶に新しい10月13日のリーグ優勝決定シリーズ第1戦。カイケルが7回無失点で勝ち投手、田中は6回2失点で負け投手となった。
過去3度、田中が試合を壊したことは一度もなかった。すべて及第点の投球をしながらも投げ負けた。
何故なのか。