話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
イッペイ・シノヅカ22歳の逆輸入。
ロシアと日本、マリノスへの想い。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images/J.LEAGUE
posted2017/10/20 07:00
G大阪戦では藤春廣輝相手に果敢な突破を仕掛けるシーンもあったシノヅカ。日本にいないタイプのアタッカーとなれるか。
周囲との連係はまだまだだったとはいえ……。
ボールを持ったらドリブルで仕掛ける彼のスタイルに変化はなかった。昔からネイマールが好きで、ユース時代も柔らかなステップで相手を翻弄していた。
ただ右サイドバックの遠藤渓太との連係がまだうまく取れておらず、天野純も左サイドに流れていくので、シノヅカが孤立するケースは多かった。
また1点先制された後、大宮は自陣に引いていたが、スペースがないと持ち味を発揮できず、苦しい展開になっていた。
「まだまだですね。サイドでいい形でボールをもらえる回数がまだ少ないですし、連係の部分でも左は純(天野)くんがいて、マルちゃん(マルティノス)とウーゴ(・ヴィエイラ)で点を取る形ができているんですが、自分のところはまだ得点の形が確立できていないです。マチ(中町公祐)くんが裏を見てくれるようになりつつありますが、まだ自分が欲しい状況でもらえていないですし、ケイタ(遠藤)とも機能できていない部分があるのでコミュニケーションを取りながらやっていくしかないですね」
ロシアの方がスピードも当たりも激しい。
シノヅカは試合中、不慣れなサイドバックでプレーする遠藤に何度も声をかけていた。ハーフタイムには「いつも前にいくだけじゃなく、後ろのカバーも考えて」とプレー面での指示をしていたという。そうした連係面を高めていくことやゴールパターンを詰めていく作業も重要だが、シノヅカ自身のコンディションを高めていくことも重要のようだ。
「今年の2月ぐらいからスパルタクでは試合に出ていなかったし、日本に来てからも何度か練習試合をしたけど、試合勘とか流れとか、まだ自分の中で、つかめていない部分があります。だけど日本のサッカーのスタイルには違和感がないです。
マリノスのサッカーは縦に速いのでロシアのスタイルにも似ているし、もともとロシアの方がスピードも当たりも激しい。そういう部分では問題はないですけど、個人的な感覚や90分間のスタミナの部分は連係とともに、まだまだかなって思います」