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サッカー韓国代表は燃えているか。
W杯に向けての「マッチメイク論」。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byFIFA via Getty Images
posted2017/10/13 17:00
現役時代には6回のリーグ優勝とアジアクラブ選手権優勝などのキャリアを誇ったシン監督。五輪代表、U-20代表の監督を務めた後、48歳でA代表の監督に。
“海外組のみ”の代表、という奇妙な計画。
海外組のみの招集となった理由はこの点にある。25日の会見でシン監督ははっきりと明言しなかったものの、国内最大の通信社「聯合ニュース」がこう記した。
「今年、2度ほどKリーグの選手の早期招集にクラブ側が応じた。だから今回は配慮して選ばなかった」
付け加えるならば、12月に日本で行われる東アジアE-1選手権では、欧州組抜きの招集が確実視されている。だから今回は海外組のみで、という見方もできる。
この欧州遠征、海外組のみという選手構成はとにかく妙だった。なにせ、つい先日とも言える9月5日のワールドカップ予選最終戦(ウズベキスタン戦)の先発メンバーには、DFに1人、MFに2人、FWに1人、国内組の選手が存在したからだ。
海外組だけで代表を組んだことによる問題点。
海外組だけで遠征を組んだ場合……まずDFの構成が「左サイドバック不在」となった。招集直前にCBと左サイドバックをこなせるユン・ソギョン(柏レイソル)が負傷したからだ。
さらに23人のエントリーでFW登録選手がわずか2人という事態に。仕方がないので、所属のアウクスブルグ(ドイツ)で出場機会を得られていないチ・ドンウォンが選ばれている。シン監督曰く「(同じくFWの)ファン・ヒチャン(ザルツブルク/オーストリア)、ソク・ヒョンジュン(トロワ/フランス)はより出場機会がない」。その一方で、負傷のために最近はプレーしていなかったキ・ソンヨン(スウォンジー/イングランド)を招集する荒業に。これについては「チームでは練習復帰している。試合に備えよ、という意味の招集」と説明した。
当然、遠征前から批判的意見が多く出た。海外組と国内組を分ける。その弊害もあると。