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サッカー韓国代表は燃えているか。
W杯に向けての「マッチメイク論」。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byFIFA via Getty Images

posted2017/10/13 17:00

サッカー韓国代表は燃えているか。W杯に向けての「マッチメイク論」。<Number Web> photograph by FIFA via Getty Images

現役時代には6回のリーグ優勝とアジアクラブ選手権優勝などのキャリアを誇ったシン監督。五輪代表、U-20代表の監督を務めた後、48歳でA代表の監督に。

思い切った計画の結果は……。

 かくして、結果はボロ負けだった。

 7日のロシア戦は2つのオウンゴールもあり2-4。

 10日にスイスで行われたモロッコ戦は1-3。

 これで韓国は3月28日のワールドカップ最終予選シリア戦(ホーム)以来、半年以上も勝利がない状態になった。

 初戦のロシア戦では、FC東京、大宮アルディージャでもプレーした左利きのCBキム・ヨングォン(広州恒大/中国)を3-4-3の左MFで起用せざるを得なかった。キムは確かに左サイドバックでのプレー経験もあるが、184cm74kgの体躯。サイドを駆け上がるタイプではない。不似合いだった。

 モロッコ戦では初戦に続き、チャン・ヒョンス(FC東京)を3-4-3のフォアリベロ的な位置に起用したが、これも機能しなかった。

一斉に新監督をバッシングした韓国メディア。

 メディアは一斉に、結果を叩きまくった。

「ロシア戦での守備の問題は明確だった。変形3バックは両サイドMFとの関係が不明瞭で、不安を露呈した。シン・テヨン監督はこれを修正せず、モロッコ戦に臨み、同じように敗れた」(SPOTV NEWS)

「雰囲気を変えようとしたが、より窮地に。危機のシン・テヨン」(NEWSIS)

「シン・テヨンの無謀な挑戦、韓国サッカーに傷だけを残した」(スポータルコリア)

 また、この遠征の企画自体が失敗だったとの指摘も多数見られた。

「協会の怠惰な企画が生んだ“10月の惨事”」(インターフットボール)

 この媒体は「欧州遠征の機会は多くないのに、その機会で万全の準備をしない協会への批判は免れえない」と糾弾した。来月に日本がブラジル、ベルギーと対戦することを引き合いに出しつつ。

 それでも、だ。わざわざスペースを割いてまでこのニュースを紹介する理由がある。日本もすぐに「これをやってみよう」と強くは推薦できない。いっぽうで、ワールドカップ本戦直後の4年間の仕切り直しの時期(つまりまだ時間のある時期)あたりに、トライしてみる余地があるのではないか。そういう話だ。

【次ページ】 海外組と国内組をキッチリ分けてみた意味はあった。

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