野球のぼせもんBACK NUMBER
井口資仁は王貞治元監督の志を継ぐ。
行く先々で優勝し続けた男の本質。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2017/10/11 08:00
1996年、ダイエーへの入団発表後に、当時の王監督と写真撮影に応じた井口。
王貞治元監督の意志を、井口はどう継ぐのか?
千葉での引退試合から2日後、井口は福岡にいた。
マリーンズと古巣ホークスとの試合のテレビ中継のゲスト解説として、スーツ姿でヤフオクドームにやって来たのだ。
試合前、グラウンドでひと通りのあいさつを済ませたあと、球場内の一室でホークスの王球団会長と15分ほど懇談した。
「懐かしい思い出話をしました。僕にとって王さんは、全てにおいて尊敬する方です」
来季からはマリーンズの監督に就任することが確実視されている。チームを率いる立場として、再び頂点を目指す戦いの場にすぐ戻ってくるだろう。
王監督はかつて「胴上げの時は写真を撮られるんだから、ピシッと背筋を伸ばしておかないといけないんだよ」と笑って話していた。やはり“井口監督”も美しく宙を舞うだろう。その姿、いつの日か見てみたい。