沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
歴史的女傑の誕生とサトノの大敗。
凱旋門賞で日本勢は何を得たのか。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byGetty Images
posted2017/10/02 11:30
完全に後続を引き離し、最後は流して悠々と勝利したエネイブル。日本馬は、またも世界との距離を痛感させられる結果になった。
適性がなかったと言われても仕方ないが……。
今年のサトノダイヤモンドの2度のレースを見る限り、ヨーロッパで重馬場になると力を出し切るのは難しいようだ。雨の多いヨーロッパで晴天でなければ厳しいとなると、現時点ではヨーロッパ遠征に適性がなかった、と評価されてもやむを得ないだろう。
しかし、これも来てみなければわからないことだし、この遠征で馬自身が習得したものも多いだろうから、無駄な経験だったわけではない。
池江調教師が口にした「チャレンジ」する管理馬は、またサトノダイヤモンドになるのか、別のチャンピオンホースになるのか。楽しみに見守りたい。
日本での凱旋門賞の馬券発売は2年目となった。昨年は約41億円売れて話題になったが、今年は82%ほどの34億4333万6600円にとどまった。とどまった、といってもすごい額だ。その一部を得られる主催者のフランスギャロとしては、ロンシャン開催に戻る来年以降も日本の馬に参戦してもらいたいだろう。そうした意味で互いの距離が縮まることも、日本馬が先頭でフィニッシュするポイントまで近づくプロセスのひとつになるはずだ。
なお、同じ日に行われたスプリンターズステークス(10月1日、中山芝1200m、3歳以上GI)は、ミルコ・デムーロのレッドファルクスが連覇を果たした。