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歴史的女傑の誕生とサトノの大敗。
凱旋門賞で日本勢は何を得たのか。
posted2017/10/02 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Getty Images
いつになったら世界最高峰の頂に手が届くのだろうか。
菊花賞と有馬記念を勝った日本のサトノダイヤモンド(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)と僚馬サトノノブレスが第96回凱旋門賞(日本時間10月1日23時7分発走、仏シャンティ芝2400m、3歳以上GI、18頭立て)に出走したが、それぞれ15、16着に終わった。
芝コースは、サトノダイヤモンドが苦しめられた前哨戦のフォワ賞のときとほぼ同じ水分量の重馬場だった。レースが行われるころには雨は上がっていたが、凱旋門賞の前に行われた2つのマイル戦は1分37秒台と38秒台で決着するほど時計がかかっていた。
道悪で走らなければならないのはどの馬にとっても同じことなのだが、瞬発力が武器の日本馬にとっては、やはり厳しい条件だ。
GI5連勝で、3歳牝馬による史上初の快挙。
ゲートが開くと、サトノダイヤモンドは速いスタートを切り、じわっと中団の外目まで下げてポジションを固定した。
現地でも日本でも圧倒的1番人気に支持されたエネイブル(牝3歳、父ナサニエル、英ジョン・ゴスデン厩舎)は内の2番枠からの発走となった。昨年の凱旋門賞で1着から3着までを独占し、今年も5頭を送り込んできたアイルランドのオブライエン勢に包囲されるのではと心配されたが、鞍上のランフランコ・デットーリがスムーズに馬場の真ん中に持ち出し、好位3、4番手で脚を溜めた。
そのまま直線に入り、ラスト400m地点でデットーリがゴーサインを出すと、エネイブルは重馬場とは思えない鋭さで抜け出した。2着を2馬身半突き放す圧勝劇で、GI5連勝を飾った。3歳牝馬がキングジョージVI&クイーンエリザベスステークスと凱旋門賞を制覇するのは史上初の快挙。やはり、この馬は歴史的女傑だった。