「好かれなくてもいいから苦手な人を作るな」

　その言葉に、思い当たる節があった。

　さらに石川はプロで成功する秘訣としていくつかの助言をくれた。

「ひとつは怪我をしないこと、もうひとつは“人に嫌われるな、好かれなくてもいいから苦手な人を作るな”と言うことでした。誰かにアドバイスをもらったら何か自分に当てはまることがあると思って考える。この人は自分と関係ないから、その意見は聞かないとかじゃなくて、一度自分の中で取り入れて、ダメだったら外していくくらいの気持ちでやった方がいいよって話でした」

　石川の言葉は、どれもこれもが成田の心に響いた。

“過去を求めるのではなく今で考えよう”

　今年1月には自身の体に嬉しい変化が出ていることも確認した。

　千葉ロッテの新人選手が近年必ず実施している国立スポーツ科学センターでの体力測定に、2年目ながら昨季に続いて参加。すると位置エネルギーや並進エネルギーを表す単位のNm（ニュートンメートル）の数値が30くらい上がっていたという。

「これだけ上がる選手も、そうそういないと言ってもらえました」

　数値で自身の成長を確認したことも彼の自信に繋がった。

“過去を求めるのではなく今で考えよう”

　そう心に決めた。

　新聞報道によれば、成田の次回登板は29日の対オリックス戦。先発での登板が予定されているという。9月に入り、千葉ロッテはルーキーの2人、佐々木千隼と酒居知史が完投勝利を飾るなど若手の嬉しいニュースが続いている。ここに成田の活躍が加わるか、未来の先発陣を占う意味でも注目したい。