ぶら野球BACK NUMBER
糸井重里がノーバン始球式!!
松本・前橋と続く、巨人戦ながれ旅。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2017/09/19 11:00
ちょっと……遠目で見えにくいですが、糸井さんがノーバンなんです!!
球場に来れば社長も物書きも、老若男女もみな平等。
でも、正直に言うと自分にとって糸井さんは恩人であると同時に、ひとりの「巨人ファンの先輩」であり「野球好きのおっちゃん」である。
どんなに有名で仕事ができても、巨人が弱いと日常に支障が出るレベルで死ぬほどヘコんでいる。俺らと変わらない。そうなんだ、球場に来れば社長も物書きも、おとなも、こどもも、おねーさんも関係ない。スーパーフラットの世界。野球がすべて。だから、球場は最高に楽しいのである。
原辰徳の登場にザワつく球場。
糸井さんの控え室(と言っても球場内のバックネット裏上部席)の前で、よく日焼けした体格のいい男とすれ違った。
って、原辰徳だよっ!
解説ブースに原が入るとバックネット裏の観客が振り向いてスマホで撮影しまくり、一部からは拍手が起きた。
やはり今の巨人に必要なのは原クラスの世間に響くスター選手ではないだろうか? となると、ドラフトではやはり清宮君の指名を……なんて妄想している内に、試合はテンポ良く進んでいく。
超満員の観客が見上げる夜空の向こう、華麗な花火を打ち上げすぎてその煙が球場全体を覆う中、6回表には先発・田口麗斗が中日の谷哲也に3ランを食らった。隣の席では『ほぼ日』の皆さんと、見事ノーバン始球式で大役を終えた糸井さんが鳥めし弁当を食べている。
ラッキー7には巨人主催試合では史上初というオレンジ色のジェット風船が舞い飛ぶ前橋の夜。気が付けば、前夜の劇的なサヨナラ勝ちから打って変わってあっさり散発2安打の完封負けだ。
1勝1敗、三歩進んで二歩さがる的な今季の巨人の戦いぶりを象徴するかのような中日2連戦だった。