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ネイマールがきっかけとなった、
世界的移籍金バブルの裏側。 

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ロベルト・ノタリアニ&パトリック・ソウデン

ロベルト・ノタリアニ&パトリック・ソウデンRoberto Notarianni et Patrick Sowden

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photograph byRichard Martin

posted2017/09/19 07:00

ネイマールがきっかけとなった、世界的移籍金バブルの裏側。<Number Web> photograph by Richard Martin

PSGサポーターの前で移籍の挨拶をするネイマール。彼が、移籍金の狂乱市場を生み出した張本人である。

2つのクラブが2億ユーロ以上を払った年。

 総括すると、ヨーロッパ全体で9つのクラブが1億ユーロを上回る移籍金を支払ったのは前代未聞であり、うちふたつ(PSGとマンチェスター・シティ)は2億ユーロを超えた。

「たしかに出費は膨大だが、同時にクラブは選手をたくさん売ってもいて、収支はそれなりに均衡している」と前出のブランキーニは言う。

「ただそこには私が“アノマリー(偏差)”と呼ぶものが存在しているようにも思う。大々的に金を使っているのは、国家やそれに準ずるものに支えられた膨大な経済的ポテンシャルを有するクラブだけだ。市場にとっては必ずしも悪いことではないが、何らかの規制は必要だろう。

 然るべきところが速やかに状況を検討し、必要に応じたコントロールをおこなうべきだ。それは既成の秩序を大きく変えるだろうし、様々な反感や反動も引き起こすだろう。

 そこから先は、散財したクラブが勝っているわけでないのは歴史が証明している。マッシモ・モラッティ会長時代のインテルがまさにそうで、彼は後先を考えずに選手獲得に金を投じ、タイトルを獲得できるチームを作りあげた。しかし実際にインテルがタイトルを手にしたのは、モッジスキャンダルでユベントスがセリエBに降格した2006年以降だった」

 彼の述べたインテルの例は、ビッグクラブに対抗できる財力のないクラブに、勇気と希望を与える逆説的な事実であるのは間違いない。

2017年夏7大リーグ移籍金総額(8月27日現在)

1. プレミアリーグ 13億1000万ユーロ
2. セリエA 7億9140万ユーロ
3. リーグアン 5億9120万ユーロ
4. リーガ・エスパニョーラ 5億3490万ユーロ
5. ブンデスリーガ 4億9840万ユーロ
6. イングランド・チャンピオンシップ(2部) 1億8840万ユーロ
7. ロシア・プレミアリーグ 1億410万ユーロ

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