ゴルフPRESSBACK NUMBER
宮里藍と朴セリの引退で思うこと。
2人の言葉の共通点と、唯一の違い。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2017/09/13 08:00
今年の6月のKPMG女子PGA選手権でのツーショット。キャディーのミックさんとのコンビも、今週で見納めである。
「幸せな時間だったのを、ちょっと噛み締めている」
<宮里藍:今年5月29日、都内での引退記者会見>
「自分としてはこれ以上ないゴルフ人生だったと思っています。引き際の寂しさよりも、これだけ多くの方々にサポートしていただいて、感謝の気持ちを胸に今シーズンを戦えることは選手としてすごく幸せです。この14年間、どれだけ自分にとって幸せな時間だったかというのを、今ちょっと噛み締めている感じです」
表現の違いはあるが、両選手がゴルフに対して真摯に向き合ってきたことが伝わってくる。もちろん、筆者が抜粋した言葉では、長いプロ生活の一端が垣間見える程度で、全てを表しているわけではないことを補足しておく。
宮里は「また優勝したい」と意欲十分だった。
宮里と朴の唯一の違いは、引退表明したシーズン時の実力である。
昨年、39歳の朴は、ほとんどの試合で予選落ちして3試合を棄権した。
一方の32歳の宮里は、5月の引退表明後、米ツアーで6試合に出場して、予選落ちは1度だけ。先々週の「キャンビア・ポートランド・クラシック」では今季最高の5位タイに入賞した。例年に比べて出場試合数を減らしたことで、体力的に好調である。何よりも「現役のうちにまた優勝したい」とモチベーションが高い。
宮里が最後の舞台として選んだ「エビアン選手権」は、2009年に自身が米ツアー初勝利を飾った大会である。今の調子だと、ひょっとすると優勝争いに絡んでくるかもしれない。
勝負は十分可能だ。
宮里藍の現役最後の試合を、決して見逃してはいけない。