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3回戦で敗退したけど……人気爆発!
全米OPで世界を魅了した大坂なおみ。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2017/09/06 08:00
力感溢れ、恐れを知らぬアグレッシブなプレースタイルに、世界中のテニスファンが熱狂した!
大坂なおみが「いつも日本人だと感じる」理由。
こうしたアメリカでの人気の高さに加え、日本語は理解するがほとんど話さず、インタビューは片言の日本語以外、英語で答える大坂には、「アメリカ人としてプレーするほうが居心地いいのでは?」というような質問が今もぶつけられる。
いつも「ノー」ときっぱり答える大坂は、今回も自分が日本人だと感じる理由についてこう話した。
「グループの中に1人でいると、私はあんまりしゃべれない。こんな顔だし、(しゃべらないのは)失礼だって言われたこともある。それに、私はよくこうやって頭を下げるんだけど……それは、日本では挨拶のときにする仕草なんだけど、どうしてそんなふうに頭を動かすの? って聞かれると、なんか『ごめんなさい』って感じになっちゃうし……」
そんな切ない話をしたかと思うと、思いがけない天然キャラ・エピソードを披露したり、絶妙のジョークを飛ばしたりする。
逸材が揃う同年代だが、中でも大坂は一番魅力的!
大坂と同じ1997年生まれは、今年の全仏チャンピオンに輝いたオスタペンコをはじめ逸材揃いと注目されているが、キャラのおもしろさでは大坂が群を抜いている。
記者はそんな選手が好きだから、好意的に書き、応援するのだが、皆が楽しみにしている華麗な“脱皮”を邪魔しているのは、いかにも日本的なメンタルの繊細さなのかもしれない。
ケルバーとの1回戦、センターコートの家族席に父親の姿がなかった。
コーチのデビッド・テイラー氏、日本のナショナルコーチ、所属スポンサーの関係者は並んで座っていたが、なおみと姉のまりを幼少の頃からテニス指導した父レオナルド・フランソワさんは、別の席で見ていたのだという。