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3回戦で敗退したけど……人気爆発!
全米OPで世界を魅了した大坂なおみ。
posted2017/09/06 08:00
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
日本女子テニス界のホープ、19歳の大坂なおみの全米オープンは、またも3回戦止まりに終わった。
グランドスラムの3回戦敗退は、これが5度目だ。予選を突破してグランドスラム・デビューを果たした昨年の全豪オープンで、3回戦まで進出した18歳(当時)は、その年の全仏でも全米でも3回戦に進んでビッグネームを脅かし、「未来のスター」と注目度を高めていったが、今はまだその期待に十分に応えることができていない。
今回こそチャンスと思われた。
過去4回の3回戦の相手は、順にビクトリア・アザレンカ(当時16位)、シモナ・ハレプ(当時6位)、マディソン・キーズ(当時9位)、ビーナス・ウィリアムズ(当時11位)。ランキング二桁台のアザレンカとウィリアムズはともに複数のグランドスラム・タイトルを持つ元世界1位。ビッグネームばかりだった。
今大会、昨年の優勝者で第6シードのアンジェリック・ケルバーを初戦で破ったことで、それ以上の大物とは準々決勝まで当たらないことが確実になっていた。ケルバーからの勝利は、トップ10プレーヤーからの初勝利ということもあってすでに達成感が大きく、その先を戦う上で「自分に大きな期待をかけすぎて重圧になってしまった」と大坂は語った。
ランキングに見合わぬ、危険な相手が登場した!
3回戦で敗れた相手は、予選上がりで世界ランク418位の32歳カイア・カネピ。
テニス通ならこのベテランが、ランキングに見合わない危険な相手だとわかっていたはずだ。
肩の故障でほぼ1年に及ぶ戦線離脱を強いられたためにランキングを落としただけで、最高位は2012年の15位。復帰から3カ月足らずではあるが、その状況から並々ならぬハングリー精神を持って、好コンディションでこの大会に臨んでいることがうかがえた。