プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「内藤vs.棚橋」vs.「オカダvs.オメガ」。
G1両国優勝戦は順当過ぎる4強に。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/08/09 16:30
IWGPヘビーという最強のベルトを持つ男として、この夏こそは、並み居るライバルたちにその圧倒的な力を見せつけたいはずのオカダ。
棚橋は過去の人……内藤の皮算用とは?
内藤が壊したインターコンチネンタルのベルトは棚橋仕様に新調してピカピカになった。
棚橋の思惑は、優勝することでIWGPの挑戦権を手に入れて、ダブル・タイトル戦までもっていって、IWGPも手に入れて、名実ともにエース復活を果たすことだ。
「新日本プロレスの中心に戻りたい」と棚橋は本音に触れた。
一方の内藤はオカダの名を出しながらも、前年優勝者オメガとの優勝戦を思い描いているようだ。
昨年のプロレス大賞男は「ベストバウト製造機」オメガの力を利用して、ズルがしこく今年の最高試合賞をもぎ取って、もちろんその戦いに勝利してIWGP王座の挑戦権を得るということだ。勢いに乗って2年連続のプロレス大賞獲得にも意欲的だ。
インターコンチネンタルのようなセカンド・タイトルはいらないが、IWGPが新日本プロレスの看板である、という正論的認識のもとに、IWGPを再び獲得する。そして、今度こそは政治的にも発言権を得ようというのだ。そういった視点に立つことで、タイトル獲得へのモチベーションを少しは自分の中に見出すことができるからだ。
「棚橋は過去の人」だから、そんな選手に負けるわけがない、というのが内藤の考えだ。
「オレの視界には11日、両国国技館の棚橋戦は入っていない。頭にあるのは13日の優勝決定戦だけだからさ」
内藤は不敵に笑う。