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「内藤vs.棚橋」vs.「オカダvs.オメガ」。
G1両国優勝戦は順当過ぎる4強に。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/08/09 16:30
IWGPヘビーという最強のベルトを持つ男として、この夏こそは、並み居るライバルたちにその圧倒的な力を見せつけたいはずのオカダ。
3度目の正直……オカダを倒したいオメガ。
G1クライマックス2連覇を狙うUS王者のオメガは、今年3度目の対決で、今度こそオカダを仕留めたいところだ。
オメガは1.4東京ドーム大会の後は、ちょっと自信を失ったようにも振る舞ったが、6.11大阪城ホールでのリマッチでは60分フルタイムのドロー。そして迎える8月12日の3度目は勝利しかないところまで来た。
だが、G1の各ブロックの公式戦は試合時間が30分と短い。
試合時間が気になる。
試合時間の秒の単位を切り捨てると、こうなる。
オメガは8試合を21分、11分、11分、24分(負け)、16分、23分、15分(負け)、15分。合計136分。
オカダは8試合を10分、25分、20分、15分、20分、11分、22分(負け)、30分(引き分け)。合計153分。
平均試合時間はオメガ17分。オカダ20分だ。
この差が直接対決に与える影響となると、消費が少ないオメガが有利かもしれないが、勝ち点で上回っているオカダはゆっくりと試合を進めて、時間切れまでもっていくという選択肢もある。
内藤という厄介者と、どう戦っていくか?
札幌の開幕戦でザック・セイバーJr.にギブアップ負けした棚橋だったが、その後は順調に勝ち星を重ねることができた。鹿児島で飯伏幸太にヒザ蹴りを食らって2敗となったが、両国国技館での試合に勝てばいいところまでこぎつけた。
セイバー戦ではあえて痛みに耐えずにギブアップを選んだことで、棚橋は救われた。連戦を乗り切るための術として、腕に決定的なダメージを負う前にギブアップという選択を行使したのが幸いした。
ただ、8月11日に両国で待っているのが、内藤という厄介者だ。1.4東京ドームでは完敗。6.11大阪城はなりふり構わぬ必死のベルト奪回。こちらも今年3度目となる決着戦だ。勝ち点は並んでいる。
「ムードを一新する爽快なフィニッシュで 完全無欠のスリーカウントを」
これは棚橋の入浴剤コマーシャルのフレーズだが、果たしてそううまくいくかどうか。