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1頭6億円のセリ値がつくご時勢。
1000万円台で10億稼いだ孝行馬は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/07/29 08:00
強烈な末脚でGI2勝を挙げたジャスタウェイ。セリでは高額ではなくても名馬へと駆け上がるプロセスに、ロマンがあるのだ。
「億超え」落札を上回る賞金を稼いだのは……。
第7位は2002年のセレクトセールで3億3500万円で落札されたトーセンダンス(牡、父サンデーサイレンス)で、競走馬としては未勝利。種牡馬になったが、こちらもこれといった産駒を出していない。
こう見ていくと、「セリの高馬は走らない」というのは、今なお「定説」と言っていいようにも思えてくる。
しかし、その一方で、「億超え」で落札されながら、自分の値を上回る賞金を稼ぎ、馬主に大きな栄誉を与えた高馬も多い。
次に紹介する馬たちの馬名の次に記すのがセリでの落札額、その次が獲得賞金、主な勝ち鞍である。
アドマイヤグルーヴ 2億3000万円 5億5133万5000円 エリザベス女王杯連覇
トーセンジョーダン 1億7000万円 7億506万円 天皇賞・秋
マンハッタンカフェ 1億3000万円 5億2283万4000円 菊花賞、有馬記念、天皇賞・春
ミッキークイーン 1億円 4億8776万4000円(今年の宝塚記念終了時) オークス、秋華賞
高くても、自身の値段の何倍も走る馬主孝行な馬もいるのだ。
アドマイヤムーン、ジャスタウェイは真逆のパターン。
馬主孝行といえば、2000万円以下で落札されながら、いい意味で予想を大きく裏切る大活躍をした馬もたくさんいる。一部を紹介すると、次のようになる。
ホッコータルマエ 1500万円 10億7870万6000円 かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、チャンピオンズカップ
アドマイヤムーン 1600万円 11億8772万円 ドバイデューティフリー、宝塚記念、ジャパンカップ
ジャスタウェイ 1200万円 9億939万8000円 天皇賞・秋、安田記念、ドバイデューティフリー
カネヒキリ 2000万円 8億5161万3000円 ジャパンカップダート、フェブラリーステークス
アドマイヤムーンは、現役時代の最後のほうにドバイのモハメド殿下が主催するダーレー・ジャパンに所有権が移った。トレードマネーは40億円だったという。
また、カネヒキリは、種牡馬入りするにあたって、総額9600万円(1口160万円×60口)のシンジケートが組まれた。