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1頭6億円のセリ値がつくご時勢。
1000万円台で10億稼いだ孝行馬は? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2017/07/29 08:00

1頭6億円のセリ値がつくご時勢。1000万円台で10億稼いだ孝行馬は?<Number Web> photograph by Kyodo News

強烈な末脚でGI2勝を挙げたジャスタウェイ。セリでは高額ではなくても名馬へと駆け上がるプロセスに、ロマンがあるのだ。

10億円ほど稼ぎ、馬主としての栄誉も与えてくれたら。

 最近は、シンジケートの総額が発表されなくなったのだが、ジャスタウェイぐらいになると10億、20億といった単位の金が動くと見ていい。その全額が馬主に入るわけではないが、基本的には「馬主がシンジケートに売却した」と考えていいだろう。

 競走馬時代のオーナーもシンジケートの株を持つのが普通だから、種牡馬となってからも収入が見込める。種付け頭数がシンジケートの口数を上回ったぶんは「余勢」と言われ、それを口数で割ったぶんがシンジケートのメンバーに配分される。例えば、60口のシンジケートで100頭に種付けした場合、余勢の40頭×種付料がシンジケートの収入となる。種付料が300万円なら、40倍した1億2000万円を口数に応じて分配する。ということは、1億2000万円÷60口で、1口あたり200万円の収入となる。

 所有馬をJRAの厩舎に預けた場合、1頭あたり、毎月60万円ほどの預託料を払いつづけたうえでの収支になるわけだが、1000万円台で購入した馬が10億円ほども稼ぎ、さらにGI馬のオーナーとしての栄誉とステイタスもプレゼントしてくれたら、細かな計算などするまでもない。

 さまざまな意味で、これほど大きな「夢のリターン」が期待できるのは、競走馬のオーナーぐらいではないか。

 サラブレッド市場では、これからも巨額の金が動きつづける。

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