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香川真司「気持ちに余裕ができたな」
フィジカル改善策がメンタル向上に。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2017/07/14 13:15

香川真司「気持ちに余裕ができたな」フィジカル改善策がメンタル向上に。<Number Web> photograph by AFLO

昨季終盤戦で存在感を見せた香川。シーズン通じての活躍が、W杯への道へと通じる。

代表戦、CLモナコ戦で決めたゴールでの“進化”。

 例えば3月28日、日本代表のタイ戦でのゴールである。少し後方に下がりながらクロスボールを右足で止めると、たった1度のシュートフェイントで相手ディフェンダー2人のバランスを崩し、難なくシュートを決めた。

 4月12日のCLモナコ戦でのゴールもそうだ。右からのクロスを右足で押し出すようにトラップして1人目のディフェンダーの前に出つつ、2人目のディフェンダーが寄せてきたところで、深い切り返しからボールを左足に持ち替えてシュートを放った。

 モナコ戦のゴールについては当時、こう振り返っている。

「良い状態でなければ、絶対に出来ないですよね。良いトラップが出来た時点で、『相手は食いついてくるから、次はシュートフェイントだな』という流れまで見えていました。実は、巻くようなシュートを打ちたかったので、シュート自体はイメージ通りではなかったんだけど、そこまでの流れは完ぺきでした」

「気持ちのところで余裕ができているのかな」

 3月以降、プレッシャーが厳しくスペースのないゴール前でも、ミスなく落ち着いてボールをコントロールできている要因についてはこう話す。

「気持ちのところで余裕ができているのかな。あとは自分の間合いや感覚でプレーしようと心がけているので。そういうプレーが出来ている理由はありますよ。練習がすごく良かったです。試合に出られないときにどれだけ良い練習が出来ているかがすごく大事で。年が明けてからもその手ごたえは常にあったので、そういうところで自信をつかんで、自分のなかで変えていくしかなかったから」

 今年に入ってから抜本的にトレーニングを見直してきた。もっとも比較的短期間で得られたのはメンタル面での成果だ。トレーニングに集中していくことで頭の中がクリアになったり、変化を感じたことで得られる自信といったところだ。

 むしろこれから発揮されるだろうものが、時間のかかるフィジカル面での成果だ。

【次ページ】 リハビリ中だけに浦和戦の出場は短そうだが……。

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香川真司
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