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代表戦の集客率53.8%は是か非か。
W杯まで2年、ラグビー界に1つ提案が。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2017/06/21 08:00

代表戦の集客率53.8%は是か非か。W杯まで2年、ラグビー界に1つ提案が。<Number Web> photograph by AFLO

メインスタンドはかなり埋まっていたが、1万人以上の児童を無料で招待したことなども考えると、容易ならぬ状態であるのは間違いない。

W杯期間中だけ満員にしたいわけじゃない。

 ラグビーの試合の模様をより詳しく伝えたり、選手のコメントを届けたりすると、専門用語を取り除くことは難しい。二重三重のチェックをしているうちに掲載のタイミングが遅れてしまうので、それなら最初から見送ろう、という判断もメディア側に働いている気がする。結果的に、ラグビーの本質を語る記事やジョセフHCや選手の生の声が、メディアを通して伝わっていきにくい状況が生まれているのではないだろうか。

 2019年W杯の足音がもっと大きくなれば、メディアにおけるラグビーの扱いは大きくなるだろう。ラグビーファンだけでなく世間一般の関心も高まり、エコパスタジアムより大きなサイズのスタジアムでも満員になりそうだ。

 ただ、ラグビーW杯の期間中だけスタジアムを満員にすることが、ラグビー界にとっての成功ではないだろう。国内で繰り広げられる世界最高峰の戦いをきっかけとして、野球やサッカーに負けない人気を持つスポーツに育てていきたい、というのが関係者の願いに違いない。

 53.8パーセントの集客率を上回る数字を、'19年のW杯後も作り出していく。'23年、'27年のW杯での成功が、それによって見えてくる。

 そう考えると、ラグビーの魅力を伝えていくことに、もっともっと「貪欲」になっていいだろう。選手たちの情報発信力を、漏れなく、無駄なく、最大限に活用したい。

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