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2019年ラグビーW杯前哨戦に完勝!
エディーが語る日本への忠告。
posted2017/06/22 09:00
text by
朴鐘泰Park Jong Tae
photograph by
Asami Enomoto
この6月のテストマッチが「W杯前哨戦」であるのは、日本だけではない。
世界のラグビーカレンダーでは、6月と11月は「ウィンドウマンス(Window Month)」と呼ばれ、各地でテストマッチが組まれている。2019年W杯のプールAで同組である日本とアイルランドと同様に、プールCのイングランドとアルゼンチンも、6月10日、17日と2連戦を実施している。
前日本代表ヘッドコーチ(HC)のエディー・ジョーンズ率いるイングランドは、38-34、35-25と連勝を飾った。しかも、6月3日から7月8日まで10連戦のニュージーランド遠征に挑むブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの各代表選手による連合チーム)に最多16名を送り込み、若手主体で臨んだアルゼンチン遠征で、完勝を収めたのだ。
シックスネーションズ王者には「死の組」ではない。
プールCの構成は、イングランド、フランス、アルゼンチン、アメリカ地区1位、オセアニア地区2位。
5月10日に京都で組み合わせ抽選が行なわれた際、「死の組」と表現したメディアに対し、エディーは「死ぬ人は誰もいない」と語ったが、シックスネーションズ(イングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、フランス、イタリアによる欧州6カ国対抗戦)連覇王者として格の違いを見せつけた格好だ。
「今年の6月は、あえてチームに混沌を引き起こそうと思います」
“イングランド完勝”のニュースを聞いて、エディーの言葉を思い出した。
抽選会の翌日、Number929号の取材として、神戸で話を聞くことが出来た。聞き手は長年エディーを取材され、エディー・ジャパンの知られざる戦いを描いたノンフィクション『エディー・ウォーズ』を上梓しているスポーツライターの生島淳氏である。エディーは言った。