球団社長は「巨人は勝ってナンボの球団だと思う」。

　このオフにはプロ志望となれば早実・清宮幸太郎内野手の争奪戦になることは必至で、巨人ももちろん参戦するだろう。

　ただその一方で清宮を逃した場合や、2位以下でどうやって若い、特に高校生の才能を掘り起こして指名し、獲得に結びつけていくか。第2の坂本を発掘し、育成に結びつけていくかなのである。

「巨人は勝ってナンボの球団だと思う」

　こう語ったのは鹿取新GMと同時に就任した石井一夫球団社長だった。

「それによって育成が全てダメになるかと言えばそうではない、欲張りな話ですが、どちらにも目を注いでやっていければいい」

　勝つために補強は必要である。そのためには昨オフのような大型補強も行わなければならない。そしてドラフトはチームの将来の根幹を作る作業でもある。そのためには上位では即戦力かそうでないかに関わらず、向こう10年を見据えた選択をすべきなのだ。

　そしてその2つの作業は……決して両立できないテーマではないはずである。