イチ流に触れてBACK NUMBER
黒田博樹は何故イチローに会いに?
電話やメールじゃない直接のひと言を。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2017/06/15 11:30
ニューヨーク・ヤンキース時代のふたり。年齢は1歳違い。自らが重要な決断をした時には真っ先に連絡し合う仲である。
「黒田は何をしに来たのかなぁ」にこもる思い。
互いに認め合い、打者として、先発投手として、メジャーの世界で高い評価を受けて来たイチローと黒田氏。
まさに一流は一流を知る。ふたりにはお互いが共有する価値観が確実にあった。
ロサンゼルスに居を構える黒田氏は、“直接お会いして、自分の言葉で引退の報告がしたい”との思いでイチローの来訪を見逃さなかった。
まさに恩義を忘れない男、黒田氏らしい引退報告だった。
一方のイチローも「黒田は何をしに来たのかなぁ」と、とぼけて見せたが、それは言わずもがな。黒田氏の気持ちが素直に嬉しかった。
試合開始前、思いを遂げた黒田氏は早々に球場を後にした。