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首位を独走するアストロズ。秘密は「25人の全員野球」。~青木宣親をとったチームは、MLB随一の補強上手~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2017/06/19 08:00
青木宣親は主に8、9番で出場。上位へのつなぎ役を務めるが「一緒にやっていて楽しい」と強さを実感している。
アストロズの快進撃が止まらない。開幕後11試合目でア・リーグ西地区の単独首位に立つと、5月は22勝7敗と驚異的なペースで白星を重ね、早くも2位以下を10ゲーム差以上突き放し、独走状態に入った。5月25日からは、破竹の11連勝。今季から加入した青木宣親が、「今のところ、負ける要素、雰囲気がない」と言い切るほど、スキのないチーム状態に仕上がった。
最大の特徴は「全員野球」。といっても、9人ではなく、ベンチ入り25人をフルに起用する戦略が、ズバリと的中している。カルロス・コレアら主軸以外はレギュラーを固定せず、相手投手によって打線を組む。救援陣も登板過多を避けるため、「ローテ」に近い形で起用。25人全員にほぼ均等のプレー機会が与えられるため、いわゆる「控え」は存在しない。ヒンチ監督が「我々には多様な武器がある。全員をフレッシュな状態にしておきたい」と説明するのも、長丁場の公式戦、さらにポストシーズンを睨んでいるからにほかならない。