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18連敗ロッテ監督の言葉をきけ!
巨人軍、戦犯さがしはまだ早い。
posted2017/06/09 13:40
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
「考えられることは全てやったよ」
1998年、日本記録の18連敗を喫した千葉ロッテマリーンズの監督だった近藤昭仁さんは、当時を振り返ってこう話していた。
この年のロッテは4、5月を20勝21敗の借金1で乗り切り、6月攻勢で首位戦線を窺うはずだった。ところが悲劇は、6月13日のオリックス戦に逆転負けを喫したところから始まる。全く投打が噛み合わず、16日の近鉄戦では打線が18安打8点を奪ったものの投手陣が打ち込まれ12失点、18日の同カードでは9回裏に3点差を追いつかれて延長11回にサヨナラ負け……。
「抑えの成本(年秀)と河本(育之)が故障で離脱していて、終盤に逆転される試合が多かった。だから先発の黒木(知宏)を抑えに回すと、その黒木が打ち込まれる。とにかく選手起用から作戦から、できることは全てやり尽くしたけど1つの白星が遠かった」
7月7日のオリックス戦では先発に戻った黒木が9回まで1失点で連敗ストップ目前まで行きながら、2死から同点本塁打を浴びて延長12回にサヨナラ負けを喫した。そして翌8日も負けて連敗は18となった。
「連敗中はベンチに清めの盛り塩をしたり、神社にお祓いに行ったり……。神頼みも含めて考えられることは全部やった。でも、どんなことをやっても悪い流れを断ち切ることはできなかった。勝負の恐ろしさというのを本当に実感したよ」
近藤さんはこう振り返ったが、まさに連敗地獄に飲み込まれたチームは、なすすべもなくただその負の流れが止まるのを待つしかないと言うことなのだろう。
高橋監督「なんとか少しでも流れが変われば」
7日の西武戦で球団新記録の12連敗を記録した巨人が、また負けた。
8日の西武戦は先発のルーキー池田駿投手が初回に先制点を許すと、3回には西武の7番打者・外崎修汰外野手の満塁弾を含む6失点して序盤で勝負は決した。
もちろん高橋由伸監督ももがき苦しみ、やれることは全てやっている。
「主力を前に置くことで、なんとか少しでも流れが変わればと思った」
この試合では坂本勇人内野手を攻撃的2番に起用。1番の陽岱鋼から坂本、ケーシー・マギー、阿部慎之助、村田修一、石川慎吾と勢いのある打者を並べて活路を見出そうとした。しかしその打線も6回に坂本、マギー、阿部の3連打などで2点を奪うのが精一杯だった。