プロ野球亭日乗BACK NUMBER
18連敗ロッテ監督の言葉をきけ!
巨人軍、戦犯さがしはまだ早い。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2017/06/09 13:40
打つ手がことごとく悪い方へ転がっていってしまう巨人。「流れ」というものの恐ろしさを感じる瞬間である。
実は3位DeNAとは3.5ゲーム差しかないという事実。
今はとにかくチームが一丸になることしかない。
一人一人が安打を打つということだけではなく、チームとして相手投手をどう攻略するかを徹底することだ。相手の先発投手に1球でも多く投げさせる努力をする。全員で思い切って狙い球を絞って、打者一巡するまでは打つコースや打つ方向を決めてそれを徹底する。
投手は早め早めに準備して、マウンドに上がったときにフル稼働できるようにする。
「みんな何とかしようというのはね。それがなかなか結果に出ない。結果が全ての世界ですから、そういう風に取られても仕方ないですけど」(高橋監督)
あのときのロッテ同様に今の巨人だってできること、思いつくことは全てやっているはずだ。だから今はそれを継続することしか連敗脱出への道はないだろう。
ただ、ここで同時にもうひとつ、考えなくてはならないのは、このトンネルを抜け出した後のことなのである。
6月8日時点で、チームは56試合を消化して23勝33敗の借金は10。首位広島とのゲーム差は12.5まで広がった。もちろんまだまだ優勝を諦めるわけにはいかないだろうが、ただ同時にきちっとAクラスを確保してクライマックスシリーズへの出場権を手にすることも、これからの大きな命題となる。
実際問題として3位のDeNAもまだ借金3で、ゲーム差は3.5にしか過ぎないのだ。そのためにもきちっとした野球をもう一度取り戻すこと。それが何より大切なのである。
ようやく補強の成果が出て戦力が揃いつつある。チームがいまファンに向かってできる最善のこととは1日も早く連敗を脱出し、1つでも上を目指すこと以外にない。そのためには周囲の雑音に惑わされずに、しっかりと地に足をつけて戦うことしかないはずだ。