Number ExBACK NUMBER
Bリーグ1の経営手腕を池田純が検証!
千葉ジェッツ代表に聞く成功の秘訣。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/06/08 15:00
就任4年目にして、ようやくチケット販売に本腰を。
島田「まず、観客動員を増やすために集客に本気で取り組み始めました。
それまでは、チームも弱く、エンターテインメントと言えるものもなかった。それだけに集客に対してあまり積極的ではありませんでした。当時はスポンサー営業だけ。チケット担当もいませんでした。
徐々にスポンサーもつき、選手や試合演出にお金がかけられる状況になったのが就任4年目。ようやく“見せられる”ものを作ることができるからお客さんを集めよう、と。4年目にしてようやくチケット販売に本格的に力を入れるようになりました。
チケット以外のことに関しても言えることですが、経営者が力を入れないものは伸びないという持論があり、それができるシチュエーションになったことは大きかったですね。あと、同時期に富樫(勇樹)を獲得し、話題性ができたこともその要因です」
「千葉ジェッツを取り巻くすべての人々がハッピーに」
受講者「クラブ、そしてチームとして結果を出すことも大切なことですが、実際に運営していくスタッフの人材育成の面はどのように考えていらっしゃいますか?」
島田「うちがやろうとしていることは、会社として経営理念を示し、方向性を明確に、目標設定や数字などビジョンを定め、そこに向かっていくためのプロセス管理をしていく。そこの結果がどうなれば評価されるのか、それが明確になることがやりがいにつながっていくと考えています。
経営者のアプローチと評価、人事制度をまわしていくことが育成となり、会社の一体感や強さにつながってくる。それをまさに今実行していますし、それを続けていれば自然に人は育っていくと思います。
何より、千葉ジェッツを取り巻くすべての人々がハッピーになってほしい。そういった方々がクラブにかかわって幸せだったと思うその様があるべき姿であり、そのために私たちは何をするべきなのか考えなければなりません」