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なでしこ逆襲へ、東京五輪3年計画。
高倉麻子「いつもすべてを賭けて」
text by
日々野真理Mari Hibino
photograph byTadashi Shirasawa
posted2017/06/08 07:00
2020年だけでなく、いつもすべてを賭けるのが大切。
3年後の東京五輪は、本当にたくさんの人が応援してくれるでしょうし、そこに向かって大きな動きもあるでしょう。非常に楽しみではありますが、私はそこをゴールにするつもりはありません。そこですべてが決まるわけでもありませんし、その後もサッカー人生は続いていくわけですから。
選手たちには「絶対にうまくなりたい」という熱い思いがあります。だからこそ、チャレンジできる限界まで引き上げる。それが私の仕事です。代表という場は最もそれが試されるところで、世界大会はそれを一番試せる場所。そこに向かう選手たちの背中を力強く押していきたい。彼女たちには納得のいく競技人生を送ってもらいたいですから。
今日の練習の笛が鳴ったときと、東京五輪の試合の笛が鳴ったときと、同じメンタリティーでやっていればいい。厳しいと思われるかもしれませんが、選手たちに対し、毎日の練習に真剣さを求めていきます。今日も明日も明後日も、やれることを着実に、継続的に行えば、大事な試合がきても慌てることはありません。'20年にすべてを賭けるわけではなく、いつもすべてを賭けることこそが大切だと思っています。
(Number920号『東京へ 高倉麻子「再び世界の頂点へ」』より)