藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
藤田俊哉、コーチとして初タイトル。
オランダ1部昇格の幸せな体験。
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byToshiya Fujita
posted2017/06/06 08:00
優勝報告会で、チームスタッフとともに優勝皿を手にしての笑顔。この時こそが、サッカーに携わる醍醐味だ。
フェンロにとっての不安材料は「天然芝」のピッチ。
このような強者達が待ち受けるエールディビジは、正直、今季までのジュピラーリーグとは別世界だ。現役時代にFCユトレヒトでプレーした経験もあるが、2部リーグのことを知る余地もなかったし、全くイメージもできなかった。
実際にジュピラーリーグの選手達と話をしている中でも、彼らなりの選手の区分けというものがあるようで、エールディビジの選手達を、尊敬の眼差しをもって見ているように感じる。
もう1つの不安材料としては、スタジアムの天然芝と人工芝の問題があげられる。エールディビジのほとんどのスタジアムは天然芝となっているが、VVVフェンロも含むジュピラーリーグの大半のスタジアムは人工芝だ。
この違いは想像以上に大きく、プレーする際において戸惑うことが多いはずだと心配している。そこには明らかに違うフィーリングがあるし、人工芝に慣れてしまっている選手達には特にその難しさがあるだろう。
デ・カイプのような最高のスタジアムで……。
現在は人工芝も改良されて素晴らしいものになってきているが、それでも天然芝のピッチとは違う。天然芝でプレーするのがフットボール本来の魅力でもあるから、早く順応してもらいたい。
僕のお気に入りのスタジアムは、フェイエノールトのホームスタジアムであるデ・カイプだ。雰囲気が最高で、芝生の状態も常に最高である。短く刈られた芝生は、まるで緑の絨毯のようだ。
一度だけゲームをしたことがあるが、管理人さんが誇らしげにピッチの状態を説明してくれたのが印象的だった。収容人数も5万人を超えるスタジアムであり、素晴らしいという言葉に尽きるスタジアムである。