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「僕は目立たなくていい」守護神。
西武・増田達至は温和な人、でも。 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKyodo News

posted2017/06/01 07:30

「僕は目立たなくていい」守護神。西武・増田達至は温和な人、でも。<Number Web> photograph by Kyodo News

今季プロ5年目のシーズンを送る増田。辻新監督の下、抑えの切り札としてフル稼働している。

目立たず活躍することこそ、リリーフ投手の本望。

 終盤、逆転を許せば、それは相手チームの見どころとしてスポーツニュースで取り上げられる。増田が地味に、目立たず活躍するということは、リリーフが成功している証拠。実は、目立たず活躍するのは、リリーフ投手にとってはいちばん価値のあることなのかもしれない。

 無欲に見える増田だが、昨シーズンからの活躍を見れば、いずれはタイトル争いにも絡んでくるだろう。

「防御率などの数字は気にしないですね。僕が任されているポジションは、いろいろなことがかみ合わないと、そもそも登板機会が回ってこないポジションです。チームが勝っていて、先発が途中でマウンドを降りて、点差も僅差で……そういうセーブシチュエーションがいつも回ってくるわけじゃないですよね。だから数字にはあまり関心がないんです。とにかくチームが勝つことがいちばん大事で、そのあとに自分の成績がついてくると思っていますから」

防御率より、リリーフ成功率100%を目指したい。

 では、増田が最もこだわることは何なのだろうか。

「チームが勝って、最終的に自分の成績がいいのが理想ですね。そういう意味では、防御率よりチームの勝ちを消さないこと。リリーフの成功率を100%に近づけるようにしたいです。たとえば6対3で勝っている場面で登板して、2点取られても、チームが勝てばそれでいい。勝ちは勝ち。勝ちにいちばんこだわっています」

 あくまで大切なのはチームの勝利だと話す。

「試合を作った先発投手や決勝打の選手がヒーロー。だから、僕は目立たなくていいんですよ」

 自分は目立たなくていい。

 そう明言できるリリーフエースがいるチームは強いはずだ。

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