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不運で負けたのではない、実力だ。
U-20の敗戦を東京五輪への「薪」に。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTsutomu Takasu

posted2017/05/31 11:25

不運で負けたのではない、実力だ。U-20の敗戦を東京五輪への「薪」に。<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu

U-20日本代表は、優勝候補ベネズエラを相手に互角以上の戦いを見せた。それだけに、再び顔を出した「いつもの課題」は重たいものだった。

久保建英「まだ正直、あまり考えられていない」

 5大会ぶりの出場でベスト16入りしたのだから、客観的な評価として悪い成績ではない。この世代の次なるターゲットとなる3年後の東京五輪へ向けて、より具体的な課題を持ち帰ることができたのは成果にあげられる。内山監督が言うところの「ここに来なければ分からない」ものを、チームも選手も持ち帰ることができる。

 敗戦直後の選手たちは、誰もが悔しさに包まれていた。後半途中からピッチに立った久保建英は、記者から受けた最初の質問になかなか答えられなかった。いつもの彼からすると長い沈黙ののちに、いつもより細い声を絞り出す。感情のうかがえない表情と声音が、15歳の胸に突き刺さる悔しさを表しているようだった。

「延長までいって、結果負けてしまって、もう終わってしまったな、という感じです。まだ正直、終わってから、あまり考えられていないです」

 世界大会での敗戦は、向上心という名の薪だと考えられる。モチベーションの炎を燃やし続けることで、東京五輪やカタールW杯が見えてくる。'18年のロシアW杯にしても、無関係と決めつけるのはもったいないだろう。

 U-20世代からU-23世代やフル代表へステップアップしていった選手には、共通するメンタリティがある。あと一歩、もう一歩の悔しさに自らを絶えず奮い立たせていく選手が、ここから先の未来を切り開いていくのだ。

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