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パウエル直伝のスタート&肉体改造。
“関西発”100m走の新星・多田修平。
text by
別府響(Number編集部)Hibiki Beppu
photograph byAFLO SPORT
posted2017/05/29 07:30
多田(写真右端)は、ガトリン、ケンブリッジらと比べると、ひときわ細い身体に見えるが……。
桐生、ケンブリッジ、山縣とは全く違う個性で勝つ!
ケンブリッジやガトリンと比べると、176cm、68kgの肉体は一際、華奢である。その分、伸びしろが至る所に感じられ、そのことは本人が一番理解しているのだろう。
「後半になると体幹の弱さがまだあるので、そこが課題ですね。肉体改造という意味でも、筋力トレーニングをしていければと思います」
生粋の関西育ちらしく、口調はコテコテの関西弁。しかし物腰や声のトーンは実に柔らかい。そしてそんな優しげな口調から発せられる言葉は、意外に強烈だ。
「やっぱりオリンピックの3強(桐生、ケンブリッジ、山縣)を崩せるような選手になっていきたいと思っています。100mは強い選手が多いですけど、その牙城を崩して、ロンドン(世界陸上)を目指したいです」
細面の青年は、そう言って不敵に笑った。