酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
2000安打より200勝が難しすぎ!
エース級のMLB流出で絶滅の危機。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/05/10 11:30
昨季限りで引退した黒田は日米通算200勝を達成した。今後NPBのみでの200勝達成を果たす投手は現れるのだろうか。
「200勝、名球会」から「MLB」が最大の目標に。
かつて、日本のトップクラスの投手の“上がり”は「200勝」や「名球会」だったが、今は「MLB」になったと言ってもよいかもしれない。
「日米通算で200勝をあげればいいじゃないか」という向きもあるだろう。確かに日本の野球殿堂も野茂英雄や佐々木主浩など、MLBで活躍した選手も評価するようにはなっている。しかしそれはあくまで「参考記録」に過ぎない。NPBの公式記録では、200勝投手は400勝の金田正一、350勝の米田哲也以下、200勝ちょうどの藤本英雄まで、24人しかいないのだ。
とはいえ日本野球は、エースの快投で築かれてきた。その系譜を継ぐ「200勝投手」を絶やしてはいけない。現役投手の奮起を促したい。