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昨季最多エラーの西武を救った新人。
源田壮亮はショートも打撃も一線級。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2017/05/07 07:00
西武の新人遊撃として36年ぶりに開幕スタメンを果たした源田。西武の内野陣に新しい風を吹き込んでいる。
「エラーもいっぱいしているし、バントミスも……」
前でも触れたが、2016年シーズン、ライオンズはシーズン終盤までショートを固定できなかった。
若手の外崎修汰、そしてベテランの渡辺直人や鬼崎裕司、守備の名手である永江恭平、粘り強いバッティングを武器とする呉念庭(ウー・ネンティン)など多数の選手がレギュラー取りに挑戦した。
今シーズンも開幕前からポジション争いの激化が予想されたが、そこに源田が現れ、瞬く間にポジションを奪った。広い守備範囲と強い肩、確実でかつ華のある守備を見せ、「社会人ナンバーワン内野手」と呼ばれた実績をプロの世界でも十分に発揮している。
しかし本人はまだまだ慎重だ。開幕してからここまでの自己評価を聞くと、開口一番「足を引っ張ってばかりです」という答えが返ってきた。
「エラーもすごくいっぱいしているし、そのせいで勝てる試合を勝ち切れていない。バントのミスも多いですし……」
まだまだプロの打球や、走者のスピードについていけていないと振り返った。
つなぎ役としてのプレーが求められている。
試合でバントを失敗した翌日、早出練習でひとり、マシンに向かってバントの練習をする日もあった。
「最近、バントが決まっていないので……。試合には2番打者として出場する機会が多いですし、自分の場合はタイプ的にバントなど、つなぎ役としてのプレーが求められていると思っています」
ただし、源田の守備で救われた試合も多い。戦前、ライオンズは厳しい戦いが予想されていた。その中で4月終了時点で12勝10敗のリーグ3位という好調なスタートを切れた要因のひとつは、源田の加入を含め、守備力が安定している部分によることは確かだろう。