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昨季最多エラーの西武を救った新人。
源田壮亮はショートも打撃も一線級。
posted2017/05/07 07:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
開幕から約1カ月が過ぎたが、ドラフト直後から即戦力ルーキーとして話題に上っていた源田壮亮がショートのポジション争いを一歩リードしている。
3月31日の対北海道日本ハム戦、ライオンズの新入団ショートとしては1981年の石毛宏典以来となる、開幕戦のスターティングメンバー出場を果たした。すると、開幕直後から守備で好プレーを連発した。
昨年、チームエラー数がリーグトップの101個という不名誉な数字を残しているライオンズにとって、レギュラーが固まっていなかったショートの選手選考は重大な課題だったが、源田の台頭はその悩みを解決しそうな勢いである。
当初、源田が課題だと言われていた打撃も徐々に開花の兆しを見せ、4月30日現在、2割8分7厘まで打率を上げている。3割も目前だ。ルーキーであることを考えれば、及第点どころか、期待を大きく上回る活躍を見せてくれているのではないだろうか。
当初の目標は、開幕一軍入りだった。
今の自分の状況を予想していたかと尋ねると、源田はしばらく考え込んだ。
「うーん、どうですかね。入団が決まったばかりのころは、目標を聞かれると“開幕一軍入り”と答えていましたけど、現実的には難しいと思っていました。ここまで試合に出させてもらえるとは、あのときは考えてもいなかったです」
入団した直後、即戦力として見られていることについて話を聞いたときも、源田は「それほど甘くはないと思っています。僕より何年も多くプロでやってきている選手がたくさんいて、その人たちと争わなければいけないんですから」と語っていた。
しかし、参加した春季キャンプの実戦形式の練習や、オープン戦などで結果を残し、辻発彦監督の目に留まる。
「源田はいいよ」
「開幕スタメンもあるのではないか」
球春が近づくにつれて、そんな言葉を各所で頻繁に聞くようになった。