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ガンバ堂安律、走るようになった!
U-20W杯で主役を張れる根拠と自信。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/05/02 07:30
堂安の技術は誰もが認めるところ。そこに走力が加われば、U-20W杯の舞台でメーンキャストとなれる器である。
あかんかったら次外されると思って出ているんで。
FWのファーストチョイスはアデミウソンであり、長沢、赤崎秀平もいる。MFでも藤本、泉澤仁、倉田秋がいる。怪我で離脱中の今野泰幸が戻れば、ポジション争いはより熾烈になる。それだけに堂安は、今もなお危機感を持っている。
「毎日がアピールというか、あかんかったら次外されると思って試合に出ているんで、そういうガムシャラさが今やれている要因なのかなと思います」
その危機感こそが堂安という選手の成長を促しているのだ。
堂安が長時間プレーするようになったことは、今月中旬から開催されるU-20W杯を戦う日本代表にとっても非常に大きな意味を持つ。堂安は、そのカテゴリー別代表の主力候補だからだ。
体力的に不安やな、というのがあったんですけど……。
今シーズン、本大会に向けて懸念していたのが、90分間戦えるゲーム体力をどうつけていくかだった。そこは試合に継続的に出ていないと培うことはできない。開幕直後の堂安は途中出場ばかりで、90分間スタミナをうまく配分し、プレーするところまでは至っていなかった。しかし大宮戦から、その不安が徐々に解消されつつある。
「90分での試合の体力はついてきていると思う。正直、このまま試合に出ていなかったら『U-20W杯、体力的に不安やな』っていうのがあったんですけど、こうして試合に出られるようになったんで、その不安もなくなってきた。もっと調子を上げていきたいです」
最近は、U-20日本代表のチームメイトである小川航基(磐田)がルヴァン杯でハットトリックを決めるなど、調子を上げてきている。U-20W杯では小川と2トップになるのか、それとも攻撃的MFとして起用されるのかまだ分からないが、いずれにせよ堂安が90分間安定して戦えるようになり、さらに決定力を高めていけばチームにとってこれほど心強いことはない。