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誤審がなければリーガ首位は違う?
勝点で得するレアルと損したバルサ。
posted2017/03/19 11:30
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
AFLO
周知のとおり、先日のCLノックアウトラウンド1回戦でバルサはPSG相手に歴史的大逆転をやってのけた。
この偉業、ファンは歓喜し、各国メディアはこぞって称賛したが、マドリー寄りとされる国内メディアの一部は何とかケチをつけようと躍起になっている。
攻めどころはレフェリーのジャッジだ。
当夜の判定にいくつか怪しいものがあったのは事実として、主審の技術レベルを揶揄するコラムを掲載したり、誤審を理由にChange.org(インターネット上の署名収集サイト)で試合のやり直しを求めている者がいることを大々的に報じたりするまでに至っている。面白いのは、この署名運動の発起者がフランス人ではなくスペイン人で、運動の趣旨説明も全てスペイン語で記されている点であることだ。
レアルは判定に救われているとの意見が約80%も。
さて、リーガに目を移してみても、誤審はいま最も熱い話題のひとつだ。
レフェリーを神様扱いし、その判定はアンタッチャブルだとする国と違い、スペインではスポーツ紙やテレビ番組が疑わしいジャッジをいちいち検証している。試合中継では必ずリプレイが流される。よって“推定誤審”は毎年毎節指摘されているのだが、今季はそれがマドリーを助けるものであることが妙に多いのだ。
少々古いデータになるが、1月下旬、「今季レフェリーに最も救われているのはどのチーム?」というアンケートを国営放送の名物サッカー番組が行ったところ、2万9000を越える回答者の78%がマドリーを挙げた。次点のバルサが17%、3位のセビージャが残りの5%だから圧勝である。
実際、直近の第27節ベティス対マドリーでもレッドカードが妥当と思われるGKケイロル・ナバスのファウルが見逃されているが、「78%」をより実感できるのは2月26日の第24節ビジャレアル対マドリー戦で下されたジャッジだろう。