リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
誤審がなければリーガ首位は違う?
勝点で得するレアルと損したバルサ。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byAFLO
posted2017/03/19 11:30
今季、微妙な判定で勝ち点を逃し続けているバルセロナ。温厚なイニエスタも激しくアピールするほどだ。
欧州主要リーグで唯一、テクノロジーを導入せず。
欧州主要リーグで唯一、リーガはレフェリーを補助するテクノロジーを導入していない。開発に協力した国産ビデオ解析システムMediacoachをFIFAに認可してもらうにも、承認済みの「ホークアイ」を採用するにも、5億円近い金が必要になるからだという。
それゆえ1月末、バルサやアトレティコ、セビージャ、レアル・ソシエダ、バレンシア、ビジャレアル、エイバルは連名で、審判補助システムの一刻も早い導入を求めた。レフェリー側からも同様の声は挙がっており、レフェリー委員会のテクニカルディレクターを務めるマヌエル・ディアス・ベガは「専門家の判定を要せずテクノロジー自体がジャッジを下すならば(導入には)賛成」と立場を明らかにしている。
だが締り屋であるリーガのテバス会長の姿勢は変わらない。採用を予定しているのはFIFAの普及推進により導入費用の下落が見込めるビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)だが、タイミングは来季国王杯ノックアウトラウンドでテスト運用した後の'18-'19シーズンとなっている。
これは、クラブにとってもレフェリーにとっても観客にとっても随分先のことである。誤審によるやきもきはまだしばらく続きそうだ。