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父が夢見たレイカーズ像を娘が継承。
再建はマジック・ジョンソンと共に。

posted2017/03/20 08:00

 
父が夢見たレイカーズ像を娘が継承。再建はマジック・ジョンソンと共に。<Number Web> photograph by Yoko Miyaji

ジニー(中央)、ジャニー(右)、そしてペリンカの妻。低迷しているとはいえ、レイカーズを思う気持ちは同じである。

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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Yoko Miyaji

 この数年のロサンゼルス・レイカーズを見ていると、つくづく、カリスマ性のあるリーダーの後を継ぐことは難しいと感じる。コービー・ブライアント引退後のフランチャイズ・プレイヤーのことではない。4年前に亡くなった前オーナー、ドクター・ジェリー・バスの後継者の話だ。

 故ドクター・バスは、独自のビジョンを持ち、強いカリスマ性を持つ経営者だった。ロサンゼルスという土地の気風を理解し、NBAの試合は単なるスポーツではなくエンターテイメントだと考え、チアリーダーを“レイカーガール”という上質なダンス&エンターテイメントとするなど、他のチームが真似したくなることを次々と実行した。

 強いチームを作るためにも決して手を抜くことはなく、大胆な決断も恐れず、成績と人気の両方を備えたレイカーズという一流のブランドを築いた。レイカーズだけでなく、リーグの先頭に立って引っ張ってきたリーダーでもあった。

 そのドクター・バスが亡くなって以来、レイカーズは低迷を続けている。ブライアントのキャリア晩年の故障、そして引退による世代交代という事情もあったが、それ以上に深刻だったのは、経営陣の分裂だった。

子供がレイカーズを発展させる理想を思い描いたが。

 故ドクター・バス自身は晩年、6人いる子供たちのうち、ビジネス経営を長女ジニー・バスに、チーム強化・運営をジニーの2歳上の次男ジム・バスに任せていた。自分の死後はフランチャイズの総責任者にジニーが就き、兄弟姉妹がそれぞれ得意な分野で運営に参画。協力しあってレイカーズのブランドをさらに発展させるという理想を思い描き、そのために多くの準備をしてもいた。

 しかし、現実は理想のようにうまくいかなかった。ジムとジニーの間には何年も前から亀裂が入り、協力して築き上げるような体制とは程遠かった。父の時代のような大きなビジョンを共有して共に歩むこともなく、チームは3年連続でプレイオフを逃し、今年も出られないことがほぼ確実。

 チームに才能ある若手はいるが、その中にフランチャイズを任せられるほどの選手がいるかどうかはわからず、すぐに上向く兆しもない。

【次ページ】 兄を解任し、マジック・ジョンソンを責任者に。

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