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神野大地はマラソンでも神なのか。
五輪代表3人に勝利した異常な粘り。
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph byEKIDEN NEWS
posted2017/02/12 07:00
陸上長距離界に旋風を巻き起こす青学大。その象徴の1人である神野は卒業後も明確な結果を残している。
今井、柏原と先代「山の神」は苦戦も、神野は順調。
丸亀ハーフでの神野の勝因はまさにこの「粘り」に尽きる。初代・山の神、今井正人(トヨタ自動車九州)や2代目・山の神、柏原竜二(富士通)は卒業後、知名度の高さがあるいは邪魔をしたのか、マラソンでは苦戦した。しかし、神野はそんなジンクスを破りそうだ。社会人2年目でマラソンにチャレンジする青写真を公表している。
2018年アジア大会日本代表。
2019年世界陸上日本代表。
そして、2020年東京オリンピックの日本代表。
小柄だが、それをバネにして成長した聡明な神野の胸中には、五輪のマークがくっきりと刻まれているに違いない。
チャリティーオークションでの神野のエピソード。
余談だが、神野の人気を表すエピソードをひとつ。
丸亀ハーフのレース終了後、地元の名物である“讃岐うどん”などが振舞われるイベント会場でチャリティーオークションが催された。東日本大震災で遺児となった子供たちに、オークションで集まったお金が育英資金として寄付される、毎年恒例のイベントだ。
今年も、岡山放送の渡辺大祐アナウンサーが司会を務めて、ゲストランナーの高橋尚子さんと私がMCを務めた。
オークションに出される品々は、福士加代子(ワコール)のサイン入りTシャツなど、丸亀ハーフにゆかりあるトップアスリートから提供された貴重な品だった。