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フランス2部の最優秀監督は女性!
コリンヌ・ディアクル、不屈の魂。
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byALEX MARTIN/L'EQUIPE
posted2017/02/06 11:00
監督就任時、クラブ側と単年契約ではなく2年契約を交わしたというディアクル。3年目の今季も、チームは好調をキープしている。
「男たちのロッカールームで自分を主張できる女性」
今季、パリ・サンジェルマンの監督として女子サッカーに復帰したパトリス・レール(元リヨン女子監督。彼はリヨン時代はリーグ4連覇、チャンピオンズリーグでも2回優勝)は、歯に衣着せぬ物言いで知られている。
「私はコリンヌを通じてずっと以前から女子サッカーに関わってきた。彼女とはアングレームのマルゲリート・ド・バロワ高校で一緒に働いていたこともある。彼女が女子、僕が男子を担当していたんだ。
彼女は男子サッカーで存在感を誇示できる唯一の女性であり、結果も得られるとはっきり断言できる。パーソナリティと能力の高さ、カリスマ性……。男たちのロッカールームの中で、自分を主張できる要素を彼女はすべて備えているからだ。
またクラブの強化に貢献していることも忘れてはならない。スポーツディレクターをクビにして、育成部門にパスカル・ガスティエンを招聘したのは彼女だったのだから。会長の信任を得て大きな自由が与えられている」
代表監督のオファーを拒否してまでクラブに尽くした。
ディアクルをさらに有名にしたのが、フィリップ・ベルジュローの後任としてフランス女子代表監督候補に名前を挙げられたとき、「9月にチームを離れることはできない」と、きっぱりと拒否したことだった。
クレルモン出身のソニア・スイードは、クロード・ミシー会長の要請に応じてエレーナ・コスタを招聘した代理人である。
コスタの突然の辞任の後、ディアクルを説得したのも彼女だった。
「コスタがチームを離れたときは本当に焦ったわ。会長はそれでも女性監督が欲しいといい、可能性のあるフランス人はロワゼルとディアクルのふたりしかいなかった。そして、結局コリンヌが挑戦を受け入れた。彼女は監督ばかりかゼネラルマネジャーの仕事も兼任している。スポーツ的な野心に満ち溢れていて、彼女のおかげで今は多くの選手たちが女性監督になることを考え始めている」