球道雑記BACK NUMBER
新人で3位の5勝は挙げたが……。
ロッテ・関谷亮太はいつも崖っぷち。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2017/01/28 07:00
ピッチングだけではなく、フィールディングも。関谷は野球選手としての総合力に活路を見出している。
大柄ではないからこそのスタイルを突き詰めて。
「野村さんは僕の理想とする形(フォーム)で投げているので、ボールへの力の伝え方や、ベースの上で強いボールを投げられるようにするにはどうしたら良いかなど、色々と参考にさせてもらっています」
関谷は180cm、84kg。野村は177cm、82kg。どちらも決して大柄なタイプではない。投球スタイルも150キロを超す球をバンバン投げるというよりは、140キロ台でもキレのあるボールで勝負するピッチャーである。関谷は体型的にも投球スタイル的にも、最高の見本となる野村に弟子入りを志願して、この合同自主トレに参加した。
「自分と野村さんでは、チーム内で置かれている立場が全然違いますし、それは常に念頭に置いてやっています。野村さんは昨年の実績もありますし、今年もローテーションの中心でやっていくピッチャー。一方で自分は、まだローテーションを1年通して投げたこともないし、これから這い上がっていく立場です。当然この自主トレでも、野村さんより一歩先に仕上げていかなきゃいけないと意識してやっています。自分はキャンプ初日からアピールしていかなきゃいけない立場なので」
独特な投球フォームで1年間投げる基礎体力を。
朝9時にスタートする自主トレは、長めのアップから始まって、ウエイト、ランニング、午後はキャッチボール、ブルペン、ロングティーの技術練習と、夕方までみっちりメニューが組まれている。それ以降は体のケアに充てるため、遊んでいる暇はどこにもない。
また、課題である下半身強化にも余念がない。走り込みを増やし、昨年12月からは自主練習で10キロを目安に連日走り込んだ。
投球フォームの部分では、より半身の状態を長くすることを意識した。その中でグラブをめくるように投げるのではなく、下へ降ろすようにする、という新しい気付きもあった。
「(自分は)投球フォームも独特だし、1年間あのフォームで投げるのって結構な体力を使うので大変なんです。だからオフの間は基礎体力じゃないですけど、年間を通してフォームを維持できるような体力強化を図っています」